第38回近畿作業療法学会 学会長 辻 薫
第38回近畿作業療法学会は“平成”の元号が変わりゆく年、また7月真夏の開催という新しい
試み、そして2025年万国博覧会誘致で盛り上がる大阪で開催いたします。
近畿作業療法学会は、個性的な歴史と文化が織り逢い隣接する2府4県が、お互いの歩みや
これからの課題を相談し切磋琢磨する貴重な機会となります。それぞれの地域住民の方々も、故郷や
住まいの地の利から、県境を越えて繋がっています。また、万が一の災害に備えた対策についても
日頃からの“お互い様”“隣組”のお付き合いが大切です。
近畿作業療法士連絡協議会では,近畿圏の作業療法士にとって重要な協同事業として、
1. 近畿作業療法学会、2. バリアフリー展、3. 災害対策、4. 生活行為向上マネジメント 、5. 認知症初期集中支援を重点課題として、学術研鑽、作業療法推進広報活動、災害支援活動、人材育成、教育研修に力を注いでいます。
今学会テーマは、「みえる わかる かわる 伝える 伝わる 作業療法 」です。
育児、学校教育、就労、メンタルヘルス、介護予防など、世界に類のない超高齢社会、長寿社会と
なる日本で、子どもから大人まで、あらゆる人々の活動と参加に関わる効果的な作業療法サービスが
必要とされるようになります。
子どもに、高齢者に、障害のある人に、みえる、わかる合理的な配慮を工夫して伝え、支援者も
含め環境を整備すれば、必ずかわる潜在能力をすべての人は持ち合わせています。
本学会では、「作業をすること」、「作業ができること」で「人はよりよくかわる」ことを、
わかりやすく、「伝える伝わる作業療法」をミッションとしています。
教育講演は、脳からみた人の理解やリハビリテーションを「わかる・伝わる」ご講演で著名な
片山泰一先生と森岡周先生に、海外からは日本が目指す学校作業療法士の実践を「みえる・わかる」
ように導いてくださるスバシュニック松田直子先生に、そして特別講演は、日本の未来を予測し、
「伝える」使命感にあふれ、希望と創造によって「かわる」リハビリテーションの街づくりについて紀伊信之先生にお願いし、中村春基協会長にもコメントをいただきます。
また、「うつ病の就労支援」「特別支援教育」「認知症支援」から、「伝える伝わる作業療法」の実践報告を公開講座として行います。
最後に、学会は参加する会員の皆様が主役です。演題発表者も質問者も積極的に意見交換され、
伝えるスキルと伝わる結果の確認作業をお願いいたします。
それでは、暑い夏の学会ではありますが、新たしい時代に向かう熱い学びと喜びを分かち合うため
皆様のご参加を学会関係者一同、お待ちしております。